ワインは飲み物です。美味しく楽しく飲めばいいのです。

まず、ツイッターのお友達のみなさまへ。2013年3月1日以降、私は新しいツイートはしていませんし、自分のタイムラインも見ていませんが、エゴサーチだけは恒常的にしています。Favstarも確認しています。

 

さて、(上記の前フリから、分かる方には分かるつながりで)、今日は私の趣味のひとつ、ワインについて。

私が趣味的にワインを飲み始めたのは2011年の3月はじめ(このタイミングになったのはたまたまです)。これまで2年半ほどで、概算で150本ほどあけました。そこで思うこと。

 

ワインは飲みもの。

美味しく楽しく飲めることがいちばんです。

 

そのためにソムリエという職業があり、ワインアドバイザーという認定があり、また、美味しく楽しく飲むために体系化された知識があります。そして、ワインを好きな人たち、好きなワインについて語ることを好む人たちがそれなりの人数いるおかげで、多くのワインを飲んだ多くのワイン飲みの人たちのあいだで、ある程度の一致をみる「よいワイン」の傾向も、あります。

この順序を逆にしてしまうとまったくのナンセンス。

いわゆるワイン業界で「よいワイン」と思われているワインが、ある人の食べ物・飲み物に関する好み、場所、料理、飲み方、同席する人たち、会話などによっては、まったく美味しく感じられなかったりすることは、当然に、あります。

たとえば。

ワイン業界ですばらしいワインとして言及されることの多い、フランスはボルドーの赤ワイン。これ、ぶっちゃけていってしまうと、渋くて苦いです。ほんとうです(熟成によって丸くなりますが、それでも渋くないわけではありません)。

もちろん渋くて苦いだけではなく、さまざまな果実やスパイス、バニラのような香りがあり、酸味とコクも感じられ、後味に満足感があるのですばらしいワインだと言われるわけですが、このようなワインを飲んですべての人が美味しいと思うわけではありません。そのような人にとっては、そのワインはそのままでは「美味しく楽しく」飲めるものではありません。

そして、ワインが飲み物であり、「美味しく楽しく」飲めることがいちばんだと考えるかぎり、そのような人にこのようなワインをわざわざ飲ませるのはアホです。そして、渋味や苦味のあるワインの味わいを好まない人を馬鹿にするなど言語道断。そのような人がワイン通を気取るせいで、美味しくワインを飲む機会を逃しワインそのものを避ける人まで現れるのです。「だからワインは嫌われる」というブログがあるくらいです。

ボルドーの赤ワインのスタイルに対して、対極にあるといっていいのがドイツのリースリングでしょう。白ワインなのでもちろん渋味はなく、また歴史的な経緯から甘口が多く、繊細で上品な香りときれいな酸味を備えた、すばらしいワインがたくさんあります。(余談ですが、ドイツではリースリングの秀逸さのあまり、リースリングを超える品種がなかなか現れず、新たなドイツワインの可能性を見つけるのに苦労している、という話をワイン屋さんから聞きました)。

ボルドーの赤も、ドイツのリースリングも、それを美味しく飲める人が美味しく飲めばそれでよく、それがすばらしく美味しいと感じる人にとっては、やはりすばらしいワインなのです。「美味しい」というのが個人の主観によるものであるかぎり、その飲み手がその状況で美味しいと思うワインが、その飲み手にとってのよいワインです。これは間違いありません。(ちなみに私はどっちも大好きです)

 

さて。

いちおうワイン通を気取っている私としては(笑)、ワインに関するいろいろな薀蓄も楽しく学んでします。ワインを飲みながら、どうしてこのワインがこういう味わいになったのか、という背景を、気候、品種、製法などから考えてみることも、とても楽しいです。また、それとよく合う料理を考え、作ってみるのも大好きです。

そして、せっかくなので、ほかの人とも楽しみたいのです。

という私の欲望があるので、ワインを好まれる方、今のところそうでなくても興味のある方と食事をすることも、当然のように好きです。そのため、自宅で簡単な食事会を開いては、ワインと料理の組み合わせをゲストの好みを考えて用意し、あるいは自宅でなくても、同席した人がたとえば「ワインのことはよく分からない」という方であれば、その方の食べ物・飲み物の好みやこれまでのワイン経験をたずねて、「このワインならきっと美味しく飲んでもらえるのではないだろうか」というものを選ぶ、ということを楽しんでいます。(これまでのところ、おおむね喜んでもらえているようです)(ちなみにこれを職業としてやっているプロがソムリエさんですね)

 

ここで、ワインについて薀蓄を語る、ということについて。そのようなあるワインについての背景情報や歴史的経緯、食べ物との組み合わせ方のリクツなどについて、そういう話を好む方と、それほどでもない方と、嫌いなかたがいらっしゃるでしょう。

これについての私の考え方は、まず、私がそのような話をすることに興味をもって発見的に聞いてくださるならば、迷わず遠慮なくお話します。そうでない場合には、なるべく遠慮しますが、一方で拙宅での食事会の場合には、まあ私が料理も用意しているという成り行き上、私の趣味に付き合ってくださっていることもあるわけで、ある程度の薀蓄はガマンして聞いてくれる方が多いので、感謝しつつ薀蓄を披露させて頂いています(笑)

私はいつも自分がワインを美味しく楽しむ飲むために工夫を惜しみませんし、また、私とワインを飲んでくださる方が、積極的にであれ、成り行き上であれ、なるべく美味しく楽しく飲めるようにすることにも、情報収集と工夫を惜しみません。なぜならワインとは飲み物で、美味しく楽しく飲むことが、その本来の目的であり、価値であると思うからです。もしもその人がワインに対して苦手意識を持っているならば(渋い・苦いのが苦手、というケースが多いですが)、そうでないワインを選び、渋味や苦味を強調しない温度、グラス、料理との組み合わせを考えればよい。そうして「あ、これは美味しい」といって頂いたときは、してやったりという気分になり、本当に嬉しいです。

 

以上、ツイッターのお友達の皆様へ、私のワイン観でした。