RでCSVを読み込もうとしたときのエラー incomplete final line found by readTableHeader 対処法

結論:read.csvの引数fileEncodingをencodingにしたらうまくいきました。


経緯:

Windows10環境下で普段はあまり使わないRでデータをいじることになりました。
元はエクセルのデータシートをCSV(UTF-8)で保存。手順通りにsetwdでCSVファイルのある場所を選び、さて問題はここから。

data <- read.csv("database.csv", header = TRUE, fileEncoding = "UTF-8")

で読み込もうとすると、

incomplete final line found by readTableHeader 

というエラーメッセージが出ます。
迷わずググると出てきたのは、

csvの最終行の末尾にエンターを入れろ(これが一番多かった)
csvの最終行の下に空白の行を追加しろ(たまにこれ)
・fileEncodingを合わせろ(SJIS、cp932、UTF-8-BOM、など)

というのが沢山。英語の掲示板もそんな感じです。
これを全部やってみたのですが全く変わりません。

読もうとしたファイルは600行400列程度で文字と数字が混在して割と複雑なので単純なファイルをつくってテスト。

1,2,3
a,b,c

みたいなCSVをつくって上記のコマンドを使うと普通に読めます。
そこでこのCSVのテキストをコピーして元ファイルの末尾にくっつけたりしましたがダメ。

対処法を探して徘徊していたらfileEncodingじゃなくてencodingというのがある、という話を見つけ、

data <- read.csv("database.csv", header = TRUE, encoding = "UTF-8")

としたらすんなり読み込むことが出来ました。

 

追記:

「..に不正なマルチバイト文字があります

の問題もだいたいこのあたりで解決できるようですね。

 

AIに関する200の質問 101~200

 

101. AIは法的にどのように位置づけられるべきでしょうか

102. AIに関する規制は行われるべきですか

103. AIの発展を阻害する要因を3つあげてください

104. AIの発展を阻害する要因を解消するための施策を挙げてください

105. AIに愛はありますか

106. AIは新しいゲームを作り出せますか

107. チェスや将棋の問題に引き分けの多さや先手の有利さがあります。これらの問題を解消した類似のゲームのルールをAIに作らせることが出来るでしょうか。

108. AIオリンピックの様子を想像してください

109. 幼稚園でのAI活用方法を考えてください

110. AIで治安はよくなりますか

111. AIは美味しさを理解しますか

112. 創作中に登場する代表的なAIを三つ挙げて下さい

113. 創作中に登場するAIのようでAIではないものを教えてください

114. 防災分野でのAI活用にあたっての注意点を挙げてください

115. AIと人類の戦争は起きるでしょうか

116. AIは繁殖に興味を持ちますか

117. そもそもAIに好奇心はありえますか(サマー・ウォーズ)

118. AIは趣味を持ちますか

119. AIはkawaiiを理解しますか

120. 未だ問われたことのない問題をAIは発見できますか

121. AIの都市計画分野への応用可能性を検討してください

122. AIは性差別を解消できますか

123. AIによって悪化しそうな差別に関する問題を5つ挙げて下さい

124. AIは子育てを支援できますか

125. 少子化はAIの普及によって進行しますか、緩和しますか

126. 原子力発電所事故をAIはどれくらい防げますか

127. 交通事故をAIはどれくらい防げますか

128. 次に人間対AIのトップ争いが面白くなりそうな競技は何でしょうか

129. 現状のAIと質的に異なるAIを3つ考えて下さい

130. スポーツの審判や採点をAIに置き換えるべき理由を5つ挙げて下さい

131. スポーツの審判や採点をAIに置き換えるべきであい理由を5つ挙げて下さい

132. 外交分野でのAI活用方法を考えて下さい

133. CIAはAIを使っていますか

134. 工業デザインへのAI活用方法を考えて下さい

135. インテリアデザインへのAI活用方法を考えてください

136. 政治家はすでにAIを使っているでしょうか

137. どこかの知事はAIですか

138. AIに政治判断を委ねたほうが国民の幸福度は上がるでしょうか

139. AIに政治を任せたほうがよい結果が得られるとわかってもそうすべきでない理由を考えて下さい

140. AIは理由や因果関係を説明するようになりますか

141. AIは暗号解読をできますか

142. チューリング・テスト以外のAIの評価基準を3つ教えてください

143. ヒットやブームはAIで事前に予測できるようになるでしょうか

144. 「計算しないAI」はあり得ますか

145. AIは偶数手の詰将棋をつくれますか

146. AIは新しい宗教をつくりますか

147. 空飛ぶスパゲッティ・モンスター教からAIは何を学習するでしょうか

148. アーミッシュがAIを受け入れるような状況を想像してください

149. ファッション業界はAIを使っているでしょうか

150. 百年後の人々は2010年代のAIブームをどのように振り返るでしょうか

151. 千年後の人々は21世紀のAIをどのように振り返るでしょうか

152. 欲望の抑制にAIをつかう方法を考えてください

153. AIと情報エントロピーの関係を教えて下さい

154. AI活用に最も有利な制度をもった国はどこですか

155. AI活用に最も不利な制度をもった国はどこですか

156. 経営判断をAIに任せている企業はありますか

157. 経営判断をAIに任せることで最も利益を得るのはどのような企業でしょうか

158. AI産業を定義してください

159. AIが自らAIを開発するようになったならば、そうして作られたものはAIと言えるでしょうか

160. AIは新しい作曲技法を発明できますか

161. AIだけで実写映画をつくることは出来るでしょうか

162. 「アナログAI」とはどのようなものでしょうか

163. AIがスポーツをつまらなくする可能性を考え下さい

164. お花見AIとは何でしょうか

165. 「AIの夏休み」というタイトルの映画のストーリーを考えてください

166. 「チンパンジーのAIちゃん」というタイトルの小説のストーリーを考えてください

167. AI人材とは何ですか

168. 5年後に必要なAI人材は何人でしょうか

169. AI人材に必要な技能セットを教えてください

170. AI人材はアウトソースすべきでしょうか、インハウスでもつべきでしょうか

171. 10年後のAI人材の様子を既存の職種に例えて予想してください

172. 絶対にAIが人間に勝てないことは何ですか

173. 100年後から200年後の間でAIが人間に勝つことは何ですか

174. AIが人をつくることはありますか

175. 何でも鑑定団はAIを導入すべきでしょうか

176. 伝統とAIの関係を論じるための4つの側面を考えて下さい

177. サファリパークタイプの動物園を小型AIが案内するときの課題を5つ考えてください

178. エスペラント語のような世界共通語をAIに作らせるべきでしょうか

179. AI弁護士は実現しますか

180. AIで世界は狭くなりますか、広くなりますか

181. AIは忖度しますか

182. AIは世界を単純化しますか、複雑化しますか

183. 南極探検にAIは使えますか

184. 北極探検にAIは使えますか

185. AIは新種の生物を生み出せますか

186. Made by AI は良いイメージでしょうか

187. AI掃除機を売るためのキャッチコピーを考えてください

188. AI冷蔵庫を売るためのキャッチコピーを考えてください

189. 非AIを売りにする冷蔵庫を売るためのキャッチコピーを考えてください

190. 受験勉強にAIは役立ちますか

191. 無人島にひとつだけAI利用製品を持っていけるとしたら何でしょうか。ただし無人島では充電が出来るものとします。

192. 現在の混合経済よりも優れた経済システムをAIはつくれますか

193. AIもなくなって初めてありがたさが分かるものでしょうか

194. ラーメン屋の閉店をAIは予言できますか

195. ポケモンはAIですか

196. 進化心理学にAIを使うとどうなりますか

197. AI自転車とはどんなものでしょうか

198. どらえもんはいつ実現しますか

199. 「AIがなければこんなことにはならなかったのに」と嘆く人が現れる場面を想像してください

200. BotとAIの違いは何ですか

 

人工知能(AI)に関する200 の質問 1~100


1. AI とそうでないものを見分ける方法はありますか
2. AI に絶対に出来ないことはありますか。あるとしたらどのようなものでしょうか
3. これまでに作られたAI が最も得意なものはなにですか
4. AI は有機物を素材としてつくれますか
5. 動物はAI を理解するでしょうか
6. AI は動物を理解するでしょうか
7. AI に芸術の創造は可能ですか
8. AI が独自の価値観を発明することはありえますか
9. AI が独自の審美基準を得ることはありますか
10. AI が自殺することがあるでしょうか
11. 高度に発達したAI は人間と見分けがつかないでしょうか
12. AI を使わないほうがよい場面はありますか。あるとしたらどのようなものでしょうか。
13. 地球外生命体もAI をつくるでしょうか。
14. AI は言語を発明できますか
15. AI は自身を超えるAI を作り出せますか
16. AI の次に注目される技術の候補を5 つ挙げてください
17. 現在人間が行っている労働の半分をAI に置き換えるのに何年かかりますか
18. 現在人間が行っている労働の9 割をAI に置き換えるのに何年かかりますか
19. 現在の労働の9 割をAI がするようになったら人はどのような仕事をするでしょうか
20. AI が何を考えているか開発者にも分からないというのは本当ですか
21. AI 開発の面白いところはどんなものでしょうか
22. 世界で最も若いAI 開発者は誰ですか
23. 世界で最も高齢な存命のAI 開発者は誰ですか
24. 私たちの最も身近にあるAI を教えて下さい
25. 意外なところに使われているAI を教えて下さい
26. 現在最も有望なAI の産業利用分野を教えて下さい
27. 5 年後に最も有望なAI の産業利用分野を教えて下さい
28. 「AI に人間が使われる」とはどのような状況でしょうか
29. AI に置き換えることで最も幸せになる人々が多い職業は何ですか
30. 戦争をAI はなくせますか
31. 戦場に行くのはAI だけになりますか
32. AI は貧困をなくせますか。出来るとしたらどのようにするでしょうか
33. 安全分野でAI が得意なことは何ですか
34. 安全分野でAI が苦手なことは何ですか
35. AI が苦手なことは近い将来克服されるでしょうか
36. AI の生産に必須の材料を多いほうから10種類教えてください
37. AI の生産に必須の材料のうち最も稀少なものは何ですか
38. AI の開発改良にとって最大の脅威は何でしょうか
39. AI の開発者になるにはどのような教育訓練が必要ですか
40. 小学校にAI を導入する際に予想される反対論を教えて下さい
41. AI によって最も救われる難病は何でしょうか
42. AI によって最も救われるありふれた病気は何でしょうか
43. 公道を走る自動車の自動運転には現状のAI で十分ですか
44. 既に逝去または引退したAI 開発の重要人物を3 人挙げて下さい
45. 現役のAI 開発の重要人物を3 人挙げて下さい
46. AI 利用の重要人物を3 人挙げて下さい
47. 自分の記憶と思考パターンを徹底的に教え込んだAI は自分の代わりにチャットをして
もばれないでしょうか。
48. AI は歳をとりますか
49. AI が歳をとるようにすることは出来ますか
50. AI はダーウィン的な進化をするでしょうか
51. 生物の遺伝子に相当するものはAI にありますか
52. 野球がAI で面白くなるとしたらどんなことでしょうか
53. サッカーがAI で面白くなるとしたらどんなことでしょうか
54. 自動車レースがAI で面白くなるとしたらどんなことでしょうか
55. AI は新しいスポーツを考え出せますか
56. AI はインフラになれるでしょうか
57. AI の分かりやすさと分かりにくさを教えて下さい
58. 50 年前に現在のようなAI があれば世界はどう変わったと思いますか
59. 100 年前に現在のようなAI があれば世界はどう変わったと思いますか
60. AI に詩は書けますか
61. 人はAI を信用できるでしょうか
62. 人間以外の生物がAI を利用して人間と敵対することはあり得ますか
63. AI は省エネに役立ちますか
64. AI は自然環境保全に役立ちますか
65. AI を利用して社会をよくするために大事なことを3 点挙げて下さい
66. パッケージ化されたAI 開発キットは存在しますか
67. 「一家に一台、AI○○」の○○に適当なものをあてはめて下さい
68. 「AI なんてなければよかったのに」と言われそうな場面を想像して教えてください
69. 「AI があってよかった!」と世界中の人々が思う場面を想像して教えてください
70. 50 年後のAI はどうなっているでしょうか
71. AI が普及するために越えなければいけない壁は何でしょうか
72. 100 円でAI をつくる方法を考えてください
73. AI のように見えてAI ではないものはありますか
74. 計算機(コンピューター)ではないAI はありえるでしょうか
75. 量子計算機とAI は関係ありますか
76. AI を悪用する犯罪者にAI を使わずに対抗する方法を考えて下さい
77. AI「でも」出来ないことと、AI「だから」出来ないことの例を挙げて比較して下さい
78. AI に財産を相続出来るようにすべきでしょうか
79. 医療でのAI 活用のうち最も早く普及するものは何ですか
80. 電気を使わないAI を考えてください
81. AI に数学の証明問題を解くことは出来ますか。
82. AI はリーマン予想を解けますか
83. AI に意思はありますか。もし現在ないのであれば今後ありえるでしょうか。
84. AI に意識はありますか。もし現在ないのであれば今後ありえるでしょうか。
85. 「X 年前にAI があればY 人が死なずにすんだ」。X とY を数字で埋めて下さい。ただ
しX はなるべく小さく、Y はなるべく大きくなるようにして下さい。
86. AI は何かを好きだったり嫌いだったりしますか
87. ある人がAI に嫌われているとしたらそれはどのような人でしょうか
88. AI は「分かりやすく説明する」ことが出来るでしょうか
89. 人の脳の一部を外科的にAI に置き換えて超人をつくることは出来ますか
90. AI に新しいアイデアは出せますか
91. AI に科研費の作文をさせると採択されますか
92. 科研費ではなくJST だったらどうでしょうか
93. 世界の中心でAI を叫んで下さい
94. 視覚や聴覚の障害はAI 普及でどのような影響をうけますか
95. AI に面白いゲームはつくれるのでしょうか
96. AI は感動を理解しますか
97. AI 自身は感動しますか
98. AI の大きさを定義してください
99. 原理的に人にはできずAI には出来ることはありますか
100. この中で最も面白い質問はどれでしたか。AI はそれを面白いと思うでしょうか。

アカデミック・プレゼンテーションの(やや長い)コツ

京大ポスドク時代に研究室学生の卒修論発表のためにつくった資料( こちら。解説文付きです)を、より一般的なアカデミック・プレゼンテーション向けに更新しました。

  • ポスター発表も少し経験を積みましたので追加してあります。
  • ビジネスの方にも参考になると思います。
  • 著作権は放棄しておりませんがダウンロード及び個人的なご利用はご自由にどうぞ。

 

郡山では禁煙のお店探しが大変に感じたので都道府県別の喫煙率を調べてみた

数日前に郡山に引っ越してきました。夜ごはんはもっぱら自炊なのですが、最初は家が片付いてないのもあって外で食べることも多く、また、色々な機会に外食もするでありましょう。そこでいつものように食べログでお店探しをしたのですが、なかなか禁煙のお店が見つからない。

もちろん、東京都市圏のように大量で多様な選択肢から選べるわけでないのは当然です。(東京都市圏の人口は約3千万人、郡山市は約30万人)。しかし、2年前まで住んでいた京都(京都市の人口は140万人くらい)ではもっと簡単でした。それに、そもそも飲食店に入って煙草を吸うかどうか尋ねられないことが普通のようでもあります。

ということは、きっとこのあたりの人はよく煙草を吸うのだろうと思い、調べてみました。地域別の喫煙者の数、きっとJTなんかはしっかり調べているのでしょうが、公表データで都道府県別の喫煙者の割合がわかるのは厚生労働省国民生活基礎調査です。

平成25年国民生活基礎調査 健康(第4巻)>閲覧公表

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001119786

ここから第7表をとり、「毎日吸っている」「時々吸う日がある」を喫煙者、「以前は吸っていたが1か月以上吸っていない」「吸わない」を非喫煙者として、不詳はのぞき、喫煙者/(喫煙者+非喫煙者)を喫煙者の割合と定義します。思いのほか大きなばらつきがなかったのでグラフにしました。

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あーなるほど、と思ったのですが、これだけだとわかりづらいので降順に並べましょうか。

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最高は北海道で27.9%、最低は奈良で17.2%ですね。下のほうを見ると奈良、徳島、愛媛、京都、兵庫と、5つまで関西・四国。そこから島根・香川をはさんで10代から20代前半まで住んでいた三重もかなり低いほうに入ってます。

こういうのを見ると、では年齢、性別、所得、婚姻状態なんかで調整をかけたらどうなるだろうか、それらの要因をコントロールしてもなんとなく西日本が低いんじゃないだろうか、など色々思いつきます。しかしここでの目的は飲食店の禁煙状況なので構造よりも全体の喫煙率が重要と考え保留としましょう。たぶん誰かやってますよね。それにこの調査では年齢・性別・都道府県別の集計は公表されていないので残念です。

それはともかく、以前住んでた京都と、引っ越してきた福島をハイライト。

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とまあ、下から4番目の京都から(千葉住み・茨城通いをはさんで)上から3番目の福島に引っ越してきたわけなので、禁煙のお店を探すのが大変なのもむべなるかなと思ったのでした。

 

また、時系列で見ると、男性の喫煙率はどんどん下がってきたようです。

(女性は横ばい)

最新たばこ情報|統計情報|成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)

ということは、都道府県別にみた喫煙率も下がっているのだろうと思いますよね。国民生活基礎調査では2001年調査でも都道府県別の喫煙率を調べていますので、これもグラフにしてみました。

f:id:keigomi29:20160606221337j:plain

パッと見、どこも青(2001年)からオレンジ(2013年)にかけて下がっているようです。ということで差分をグラフに。見事に全都道府県で低下。

f:id:keigomi29:20160606221431j:plain

例えば30%から20%への低下だと、100%のなかでは10%ポイントの低下でしかないのですが、喫煙人口で見れば3分の1減っているわけで、12年間でも結構な変化があったことが伺えます。

ところで、喫煙率が下がっているのは、新しい世代ほど、そもそも煙草を吸わないのか、それとも、(20代で)煙草を吸い始めた喫煙者が、時間がたつにつれ吸わなくなっていくのか、どちら(または両方)なのでしょうか。あまり整備されたデータは見つからなかったのですが、上記JTの調査を出生年別に整理しました。

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縦軸が喫煙率、横軸が年齢、それぞれの線はある10年間に生まれたグループ(「コーホート」と言います)です。一見してどの線も右下がり。ということは、どの世代の人たちも、歳をとるにつれて煙草をやめていっている、ということ。で、少々わかりづらいのですが、同じ年齢のところ(例えば「20歳代」)を縦に見ると、あとから生まれたコーホートほど、喫煙率が低い。

つまり、さっきの問題意識でいうと、新しい世代ほど、そもそも煙草を吸う人が少なく、かつ、煙草を吸い始めた喫煙者が、時間がたつにつれ吸わなくなってきた。世代間でも、世代内でも、時間とともに喫煙者が減っている、ということですね。

 

私は北海道生まれ(喫煙率1番!)なのですが、家族・親戚とも煙草を吸わない人ばかりでしたし、その後は上記の通り三重、それから京都。あとは類友の原理もありましょうが、周囲に喫煙者がほとんどいない環境で暮らしてきたので、ここらへんで快適に暮らすには少々工夫が必要なようです。

なお、食べログでは禁煙状況を条件にした検索もできます。こんな感じ。

<完全禁煙>郡山のおすすめグルメ情報 [食べログ]

こうしてみると全体では結構あるのですよね。ただジャンルや場所等*、いろいろ条件をつけて絞り込むとあっという間に少なくなってしまいますが。郡山市としても受動喫煙防止の取り組みはあるようですし、時間とともに分煙・禁煙が進んでいくといいなと思っています。が、それはともかく、当面は開拓して回らないといけませんね。情報をお知らせ頂ければ大変ありがたく伺います。

 

*郡山市は広い。どれくらい広いかというと、千葉県の人口トップ5の市(千葉、船橋、松戸、市川、柏)を合わせた面積よりまだ広い。ちなみに人口はこれら5市合計の約10分の1。ソースこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

素人が理解できないプロに文句を言い、プロは素人の理解できなさに付き合いきれないという、困った状況について

twitterで五輪エンブレム問題をきっかけに書いたことをまとめておきます。

以下の話では「プロ」と「素人」「プロでない人々」を対比し、かつ、プロ側の視点からのお話を色々と書いていますが、それはプロが常に正しいということを意味しません。念のため。また、私はデザイン一般についてはノーマンの著書を二冊読んだだけですので、ドアの引く側には取っ手、押す側には板をつけてほしいですし「高機能」なチューナー・レコーダー等の操作方法は恣意的過ぎて覚えられないので何とかしてほしいのですが、基本的には素朴な印象と思いつきだけです。

 

素人が理解できないプロに文句を言い、プロは素人の理解できなさに付き合いきれないという状況は、ものすごく色んな分野で日常的に繰り返し起きています。地震放射能汚染、火山、法律、教育、経済、防衛、環境、医療などなど、枚挙にいとまはありません。困ったことですね。で、それがいまはどうやらデザインのターンに来たようで。ご関係の皆様の苦労が思いやられます。

温暖化対策研究をする私たちは、科学と社会の接点のところで科学寄りにいるものですから、日常的にそういう場面に遭遇します。「分かりづらい」「難しい」「ちがうっていってる科学者もいる」などなど、よく言われます。そこで、私たちが理解されたいと思うなら、相手を変えることは出来ませんから、相手の言葉で伝えなければ通じませんし、いる場所が違うなら通じるところまでこちらから動かなければいけません。見てるところが違うなら視点の設定から話を始めなければいけません。

プロがプロであるのは、体系化された大量の知識と情報、一朝一夕には見につかない技能、経験のストックに由来する判断の速さ、事象が与えられたときの問題構成能力、解決方法を見つけるための思考パターン、最新の情報・状況の入手ルート、良し悪しの判断基準、禁じ手のリストなどを持っているから。

専門分化した社会では、あるコトのプロはそのコトに取組続けることでよりよくそのコトが出来るようになり、それを実現します。ということは、そうではない人にはそのコトは出来ないし、分からない。専門を持つということは、その専門以外の人々とは異なる何かになるということです。しかしそれが社会の中のいち機能である以上、当然ですが、ソトの人々とのかかわりが発生します。日常的に存在する接点では、異なる専門の機能間をつなぐためのインタフェイスが必要ですから、構築され運用されています。なかみはブラックボックスでも、ともあれ、必要なことは通じるようにする。

ところが、それが、突然大勢の(例えば数千万人の)人々がそれに関心を向けたとき。普段全く接点がなく、知識や常識、行動基準の共通部分さえ小さいような人々が相当(例えば半分とか8割とか)いたりもします。そのような人々から見れば、「プロ」のいうことはさっぱり分からない、かもしれません。しかし「分かりやすく」「噛み砕いた」説明は必ず不正確になります。詳細、条件、例外、複合効果等を省き、専門用語を使わないことで、受け手の知識、認知負荷、思考能力等への要求を下げると「分かりやすい」と言われますが、専門家同士は正確な記述・理解・議論に必要で上記モロモロをしますから。

ある問題をプロはこう考える。素人の多くは別のように考える。もしそうだとして、プロが多くのプロでない人にもプロと同じ結論に至って欲しいのであるとしたら、道は二つに分かれます。結論だけを受け入れさせるか、その結論に至る道をスタート地点から辿らせるか。結論だけを受け入れさせるために使われる主な方策の一つは、印象をよくすることです。この人は信頼できそう、この人のこういうところは好感が持てる、こういう風にする人なら嘘はつかないに違いない、私はほにゃららする人のいうことを信じる、等々ですね。日常的な多くの問題については上記のような人の印象によって判断することで、たいていの場合はうまくいきます。無論私もそういうことはよくあります。そこでこの文脈でも、受け入れさせたい側が、そういう態度を演出するよう努力することで、一定の効果はありそうです。

そこに至るみちをいちから辿らせるのは大変で、プロとは何かということから考えても、ほとんど不可能と思われます。そこで、その論理や知識基盤のうち、とりわけ関係の深いところや、典型的な事例を示すことで、なんとか、辿るとまで言えなくても幹線道路をなぞるくらいは、という取組になります。

プロとそうでない人、と二つに分けましたが、プロの間で分かれてることもあります。よくあります。そして、もしも(仮に二つに分かれているとして)両陣営が広く支持されたいと思うなら、人気取り合戦をしなければいけません。そこで印象改善合戦と説得説明合戦を、これも、よく見かけますね。本気で大勢(例えば5千万人)を説得する気なら、業界上げてチーム組んで本腰入れてPR(パブリック・リレーション)に取り組まないといけませんよ。2008年頃からの温暖化騒ぎ(覚えてます?)で先輩方がそれをやってるのを院生だった私は斜め下から見ていて大変そうだなぁと思っていました。

ところでここでは、プロの側にやりたいことがあり、プロがそれ以外を説得したいという前提で、そのための方法を書いているのです。プロのほうがそれに関して大量の知識・経験・技能を持っているとは書きましたが、それがどのような場合も「正しい」とは、書いていませんよ。それ以外の問題設定をすべきことは沢山あって、例えば先日私は福島県の自治体で役所の方と総合計画について議論しましたが、外部委員でさえない私は参考になる情報を提供しただけです。どう活用するかはそこの人達が決めることですが、問題の技術的内容の理解を手伝うことは出来ます。

修士の院生の頃から国内自治体や諸外国の政府関係者と温暖化対策づくりに取り組んでいますから、温暖化とシミュレーションの「プロ」である私たちと、政策の「プロ」である彼ら、それに本当の当事者である住民・国民・事業者等々が色々やりあいながらよりよいものに、というのが私にとっての日常です。そこでは事前にプロが用意できる「正しい」答えなどありません。そもそも何が取り組むべき問題であるのかを共同作業で見つけることから始めます。ですからこの場合は「プロがプロ以外を説得する」という、先の問題設定は登場しません。

 

 

私が言いたいことは上記で終わっているので以下は蛇足です。

 

件のデザインについて、こんなまとめが出来ていました。

【佐野氏エンブレムのどこが良いか】http://togetter.com/li/868979

 

デザインについて素人の私がそもそも考えてもいなかった(まあそれほど関心がなかったからですが)その果たすべき機能や条件について、上記まとめで言及されている内容を、重複を気にせずちょっと抜き出してみましょう。

・白黒にしても印象の変化が少ない ・小サイズにしてもビジュアルが潰れない

・使われている色数の少ないデザインだと、チェックも簡単

・色数勝負なカラフルなものだとモノクロにしたら大惨事

・細かい図案だと縮小かけたら潰れて悲惨

・どんな写真や風景に入れてもそれなりに映える

・解像度の悪いモノクロレーザーで印刷する可能性を見越した配色

・2色刷りの印刷も考えると、色だけじゃなくて形でもはっきり認識できるデザイン

色盲の人でもわかる

・縦1センチまで縮小されて配置されても可視

・一目見てそれが何かわかる

・ロゴは大きく置いて眺める美術品ではない

・グラデは使うとしても可能な限り最小限

・ぼかしはNG

・新聞印刷に耐えられなさそう

・費用と再現性とシンプルさ

・見たひとが覚えやすくて、あっ、あれだ! ってすぐわかる

・印刷技術が発達している国だけで使用するわけじゃない

・荒い印刷しかできない国の新聞でどうなる

これらのような視点、機能、条件等が実際に重要・必要であるとしたら(多分他にもありそうな気がしますが)そうでなくてはならないということを知らない人は私の言う「素人」「プロじゃない人」です。私は先のまとめ中のツイート程度の書き方で納得しますけど、そうでな人もいるっちゃいるのでしょう。仮にそのような条件等に納得したとして、では具体的にどのような方法であればそれが満たされるのか、その引き出しを持っていなければ、条件を満たすものはつくれません。私は全く持っていないので、先の引用から思いつく具体的方法は「細かい複雑な要素を入れない」「色は4色が上限?」くらいです。

満たすべき要件をその理由とともに知っていて、それを実現する方法を沢山持っている。そうでなければその本来期待される機能を発揮するモノをつくることは出来ませんが、全ての人が全てのことについてそうなることは出来ませんから、専門分化するのが今の私たちの社会ですね。

付随して、一般人がどう思うかが大事、という場面はものすごく沢山ありますが、それでは、あるモノゴトに対して、ある感想・印象・好き嫌いをもった「一般人」とやらは、どれくらいいるのか。「俺は好きじゃない」というのはその人の内心の問題ですから否定のしようもありませんが「『一般人』は『みんな』好きじゃない」というのはより広範囲の事実に関する問題です。何人の一般人のうち何人が「とても好き」「好き」「どちらでもない」「嫌い」「とても嫌い」なのか、教えてくれないと。

これを知ることは、その関連する「一般人」の範囲が広くなればなるほど難しくなります。自動車をつくって売る会社であれば自動車を買う(かもしれない)人を「一般人」として対象にし、その人々がどのような自動車をどう思うか、知りたいと思うでしょう。では国際的総合スポーツイベントが対象とする「一般人」はどこからどこでまででしょうか。世界中全ての人類でしょうか。それよりも狭くていいのでしょうか。住む国・年齢・性別・スポーツへの関与関心の度合い等によって誰の印象をより重視または軽視するかの、重みをつけるべきでしょうか。

その対象を決めることが出来たとして、ではその人達のうちどれくらいの割合がどのように感じているのか、どうすれば分かるでしょうか。もちろん対象に入るすべての個人はその一部ですが、例えば同じ意見を1千万人が持っていることが分かったとしても、反対意見を5千万人が持っているかもしれません。せめてこれくらいのことは考え、反応をそれなりの根拠を持って予測し、必要ならばサンプル調査でテストし、などなどしなければ、私なら恐ろしくてとても対案など出せません。

 

以上、特にまとまっていませんが、twitterで反響があったので転載しておきました。

読書感想文:「地域ではたらく「風の人」という新しい選択」

 

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一か所に長く住んだことのない私には「故郷」とか「地元」がありません。あえていうなら今まで住んだ場所全てがそうです。札幌、小樽、阿山(いまは伊賀市)、津、芸濃(いまは津市)、京都。生まれた札幌にいたのは小学校に上がるまで、小樽を経て超田舎と言ってよさそうな阿山で小学校を終えました。それから転々として、いちばん長い京都でも大学院から9年間。一年ちょっと前からは千葉県の流山市に住み、つくばの研究所に通勤しています。それも来年の半ばには福島県の三春に移る予定です。

 

ただ、住んだところにはどこも、それなりに愛着を持っています。阿山町と芸濃町が合併で町でなくなったと知って寂しく感じましたし、子供の頃3年半だけ住んだ小樽の家は20歳で訪れたときには取り壊され、その数年後に行くと周りの土地ごと造成されてマンションになっていたのも、さらに最近、通っていた小学校が廃校になったと聞いたときも、少々ショックでした。都道府県の単位では三重県がいちばん長く、京都で出会った三重出身の方々と会食を開いたりもしましたね。京都は大学院から今の仕事にそのまま繋がっているので、研究者としての私はほぼ京都産です。京都市の温暖化対策計画づくりにも関わりました。それはその後実施され、当時一緒にやってくれた後輩のO君が今ではプロの環境コンサルタントとして同計画の見直しをしているそうです。

 

同書はいわゆる「地域づくり」「地域活性化」の本です。

 

これまで私は21の国・都市で温暖化対策研究に関わってきました。これも地域づくりとは切り離せません。ローカルな組織によって実践されている多くの環境活動は当然として、温暖化対策はほとんどすべての人間活動と関わっていますから、その地域の社会・経済状況や都市計画と深く関連します。例えば10年後、20年後に人口が何人いるか。どんな産業活動がどれくらいされているか。住民はどこにどんな風に住んでいて、どこで就学・就業しどうやって通勤しているか。これらすべては、いわゆる「地域活性化」から見ればその目標ですから、温暖化対策を考えるときにも、どんな地域づくりをするのですかと、そこの人達と一緒に考えることになります。

 

なかでも上手く行ったと言えそうなものでは、京都のように政策に直接とりあげられ、議会の承認を経てそれが事業として実施され、その事業もそろそろ見直しというタイミングになっているものもあります。一方、インドの都市なんかでは、温暖化対策の情報を集め、シミュレーションをして報告はまとめたものの、政策としては採用されず、研究だけで終わってしまったものもあります。

いわゆる天地人が揃えば上手くいくのでしょう。このうち「人」は、いずれの場合も、必ずその地域の政策担当者、研究者とチームを組んでやっています。新しいところを始めるときには、たいてい、誰かの紹介がきっかけになるのですが、その国や地域の政府・研究機関の中のどんな人を捕まえてチームをつくることが出来るか。「人」要素としてはほとんどこのチームづくらいの段階で決まるように思います。

 

さて、同書は島根に「帰って」きたり、「引っ越して」きたり、「一時的に拠点にして」いて割と注目されるような成果を上げている人達に、東京の大学の、ほとんどが都市生まれ都市育ちの学生がインタビューしたもの。地域づくりについて人の面からアプローチしたとも言えますね。ところが、ここで登場する人達の共通点は、島根にいなかった時期があることくらいです。ある時点でその場所に、ヨソから来た。だから、その場所に元からいた人達に受け入れられたり受け入れられなかったりしながら、それぞれの活動をしてきた人達ですね。あとは何もかもばらばらで、順風満帆と言えそうな方もいれば、いまも四苦八苦していたり、誰もが惹かれる人格者もいれば、外角低めの方もいて。ですので何かの「成功法則」みたいな、「こうやれば地域活性化は成功する」という処方箋が見つかるわけではありません。むしろ、ソトに行っていた、ソトから来た人が、地域で活躍する方法は色々あるということが分かります。

 

さて。わざわざこうして感想を書こうと思ったくらいなので、とても楽しく読んだのですが、実はひとつだけ残念なことがあります。色々な職業の方が登場するのですが、研究者がいないのですよ。私は昨年から福島県の復興に係る研究を始めたところで、来年には引っ越し予定もありますが、地元の人達から見れば私たちは東京のほう(つくばなんで「ほう」笑)から来たエラい先生扱いされてしまったりするわけで、もちろんそこの人達のお役に立てるアイデアがあると思うからやっているわけですが、私たちが既に答えを持っているなんて思いませんし、そんな偉そうに上から何かを授けたいわけではありません。事業につながるアイデアはありますがその事業が調査の段階を過ぎれば、実施するのは研究者ではありませんし、また、その事業から利害を受けるのは地元の人達。…というようなことから、地域に「受け入れられたり受け入れられなかったり」する経験をしている研究者は数多くいます。きっと島根にもいるはずだと思うのですけど、ね。

 

あるとき何かの縁があって他の場所からそこを訪れ、そこで何かをして、成功したりしなかったりして、またどこかへ行ったりそこに居続けたりする。同書はそういう人達を「風の人」と呼び、その場所に元からいる「土の人」と対比しています。この分け方でいうなら私は風のほう。圧倒的風のほう。ただちょっとゆっくり目の風ですけど。次にどこに吹いていくかはほとんどが偶然で文字通り風任せの人生を送っていますが、たまたま流れついた先で、彼らと同じように四苦八苦しながらも、なるべくいいものを作っていこうと改めて思う所存です。

 

最後に。同書の企画は田中輝美さんが発起人ですが、上述のように学生がインタビューして記事を書いています。田中さんは最初と最後だけ(あと指導者の藤代先生がちょっと)。私はどっちかといえば取材「されている」人たちのほうに立場も年齢も近いので、そっちの視点から取材「しに来た」学生さんの姿が見えます。率直な感想も書かれていて、表面的にも内面的にも、いろいろ大変な経緯があったことが伺えます。今は良い経験だったと言いきれない人もきっといるでしょうけれど、こういう取組は人生が続いていけばジワジワ効いてくるんじゃないかなあと、無責任に言っておきますね。

 

島根は面白そうだとずっと思っているのですが、まだ行けずにいます。今年中に一度は行こう。そうしよう。誰か一緒に行きませんか?

 

 

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